楽天の電子書籍端末、koboを触ってみました
ジュンク堂での展示が始まっていましたので、触ってきました。
書店内にコーナーが設けられ、触ることのできる端末1台と楽天の札を下げた方お一人のコーナーでした。
書店とどう関わっていくかは決まっていないらしく、ブースは出してみたもののアウェー感が漂ってました。
前で一人、解説を聞いていたので横のモックを触ろうと手を伸ばすと、取れない・・・。色見本の固定展示でした。手に取れるのは実記の1台だけでした。
手に持ってみて感触はよかったです、前面パネルはマット塗装のため照明が反射したり映りこみはありません。電源スイッチはスライド式のため誤動作は少なそうです。また、背面のでこぼこですがゴムっぽい見た目とは裏腹に硬質です。劣化してベタ付く心配はなさそうです。ページめくりに関してはそのための物理ボタンはありませんが、画面を指でスワイプ(めくり動作)するだけでなく左右の端をタップ(タッチ)するだけでめくることができます。
しばらく触ってみて、気になっていた水平表示ができるか確認してみたらできないとのこと。横書きの文章や、縦2段組だと横倒しで表示したいことがあるんですけどねぇ。楽天既存の電子書籍ストア「Raboo」の書籍が読めるのか確定してないなどの不安要素もまだまだあるみたいです。
まだまだ確認したいことはありますが、概ね良好。ただし、万人向けでありません。感想は「どうするSony?」です。
端末の性格
Amazonの予告の直後に電撃的に発売を予告した楽天のkoboですが、直接のライバルはAmazonのKindleではなくSonyのReaderになります。AmazonのKindleはAmazonのサービスとの一体度が高く、手元に届いたときからAmazonに紐付けられています。あくまでAmazonの一部を切り出したものになります。
それに対し、Sonyと楽天の端末はそれぞれのサイトと各家電量販店で購入できる入手性と引き換えに電子書籍ストアとの紐付けを購入者が行う必要があります。
購入後の処理としては
が必要になります。PCで購入した書籍の転送には、端末をUSBケーブルで接続し管理用アプリケーションソフトから転送する必要があります。端末から購入した場合は、無線通信機能で端末に転送されます。決済にはクレジットカードが必要です。
Kindleのライバル
なので現時点でのKindleのライバルと言えるのはiPadであると思っています。どちらも日本でのサービスは開始されていませんが(Amazon.coとiBooksとの比較です)、管理用アプリケーションの導入が必須ではなくより少ないステップで使い始められます。決済にはクレジットカードとプリペイドカードが使用できます。
Kindle:出荷時にアカウントを設定済みのため、3G版(携帯電話回線を内蔵しているもの)であれば開封後すぐに使い始めることができます。Wi-Fiのみのモデルでは、無線LANの設定のためワンステップ増えます。管理用のソフトウェアをPCにインストールする必要はありません。
iPad:携帯電話会社から購入した3G版であれば、はじめにAppleID入力し、その時点でストアとの紐付けは完了します。こちらもWi-Fiのみのモデルでは、無線LANの設定が必要になります。
この両者を比較した場合、Kindleが無線通信機能が必須であるのに対してiPadはiTuneをインストールしたPC、Macがあれば無線通信機能を使用しなくても使用することができます。無線通信下ではPCで購入した書籍は端末に自動的に転送されます。
Sony Readerとkobo
Readerとkoboが機能的には近いものになります。koboの値段を基準にすると、Readerはいま、koboの倍以上の値段となっています。
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ソニー(SONY) 電子書籍 Reader PRS-T1(ホワイト)※WiFiモデル PRS-T1-W
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なお、一部の報道ではkoboが¥7980に対しReaderが¥9800としていますが上に示したものとは比較の対象が異なります。¥9800で売られているのは
ソニー(SONY) 電子書籍リーダー Pocket Edition/5型 PRS-350 S
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ちゃんと調べる人は苦もなくこういった情報に辿り着くのでしょうが、目新しさと値段、店員のセールストークを基準にされるとあまり差がないと判断され値段しか見てもらえないかもしれません。
Sonyはどうするのか?
値段しか見てもらえない、はSonyに対しても言えます。
発売時に比べ小さくなった売り場で動体展示されているのが、「何故か」前世代機です。現行機種は発泡スチロールの模型という場面を見かけました。どうしても見た目の値段の裏で在庫処分をしているように感じます。その値段も安いとは言えません、現行機種が発売される直前には今よりもっと値段が落ちていたのですから。これをみるとSonyは本気で電子書籍を続ける気があるのか疑問に感じます。
電子書籍端末は電子書籍を利用するための端末です。消費者が受けたいサービスにとっての追加コストです。であれば、サービスの変化に合わせて端末も変化できることが望ましいのではないでしょうか。定期的にアップデートし対応する電子書籍ストアを増やしてきた現行機種に対し、使い勝手の劣る旧機種を売り続ける態度は疑問です。